「Hi ! LIFE」はガンダムになれるか!? 音楽フェスの可能性を仕掛け人・鈴木幸一に聞く

今年7月、八ヶ岳に新しい音楽フェスが誕生します。サンメドウズ清里で開催される「Hi ! LIFE 八ヶ岳」です。

音楽も、そしてキャンプやアウトドアも! 清里で新音楽フェス・Hi ! LIFE 八ヶ岳開催
音楽も、そしてキャンプやアウトドアも! 清里で新音楽フェス・Hi ! LIFE 八ヶ岳開催
さまざまなイベントで賑わう夏の八ヶ岳に、今年新たなチャレンジがスタートします。サンメドウズ清里を会場に開催される音楽フェス「Hi ! LIFE 八ヶ岳」です。 標高1600mのサンメドウ … 続きを読む

なぜ今八ヶ岳でフェスなのか、何をめざして始まるのか、今回のフェスを主催するアースガーデンの代表・鈴木幸一さんにお話を聞きました。

「フェスに適した場所」って何?

——今年7月15日、16日にいよいよ初のHi ! LIFE 八ヶ岳が開催されます。なぜ今新しいフェスを始めようと思ったんでしょうか?

僕はFUJI ROCK FESTIVAL(1997年から開催されている音楽フェスティバル。1999年の第3回以降新潟県の苗場スキー場を会場に開催されている)の始まる少し前から、だいたい20年くらい音楽フェス的な場を仕事にしてきてるんですけど、音楽フェスって音楽以外に何が大事かっていうとやっぱり場所がすごく重要なんです。で、どうせやるなら素晴らしい場所でやりたいという気持ちが、フェスをやり続けてきた人間としてあるんですね。

——フェスの会場として「いい場所」ってたとえばどういうところなんでしょう?

音楽フェスっていうくらいだから、ひとつの考え方としては「音楽そのものがやりやすい場所」っていうのもあるわけ。そこを追求していけばライブハウスやホールになっていくわけですよね。あれは音楽をやりやすいようにつくった場所なわけだから。実際、サマーソニック(東京会場、大阪会場で開催される夏の音楽フェス)やカウントダウン・ジャパン(年末に開催される音楽フェス)みたいに幕張メッセみたいな場所を会場にした屋内ホール型のフェスもあるわけです。
だけど、一方でそうでないもの、イベントそのもの、環境そのものと交わることを追求していくフェスもある。そのひとつの極みとしてFUJI ROCK FESTIVALがあったりする。こういうタイプはいろんな場所を会場にしてるんですね。島でやってたり、狭いけど本当に気持ちいい山の中でやってたりするものもある。そういうなかで、自分が本当に満足できる、僕にとってレベルの高いフェスをやりたいって気持ちが、特にこの10年くらいずっとあったんです。それで、その会場になる場所をキョロキョロ探してた。

——それが清里だった

うん。実際にいろんなところを回ったりもしてね。東京からアクセスしやすい場所という条件で、中部、甲信、北関東あたりをいろいろ回った。そのなかでやっぱり八ヶ岳、清里近辺ってすごく可能性を感じた場所なんです。ただ、フェスって当然、僕が電話一本して「じゃあ、やりましょう」って話ではないですから、こうやって実際に開催するところに来るまでにはずいぶん時間がかかった。この3年くらいで清里の人たちとご縁ができて徐々に話が進んで、ようやく形になった。

フェス文化はまだ創っている最中

——具体的に八ヶ岳のどんなところに可能性を感じたんですか?

ひとつはもう単純にサンメドウズ清里っていうロケーションが素晴らしいですよね。標高1600mから1900mって標高差があって、赤岳がすぐ近くにドーンとそびえていて、八ヶ岳、南アルプスから瑞牆山、金峰山、富士山まで見えたりする。あの絶景の中でできるフェスって僕はほかに知らない。あそこで音楽が響くって、それだけでそうとう気持ちいいことだと思うんです。その上で、八ヶ岳って文化が育つ土壌がある。

——文化ですか?

文化っていうのは、ある程度エネルギーがあるところにしか育たないんですよ。たとえば作家とかアーティストとか、ひとりの天才っていうのは文化抜きにしてポーンと生まれたりもするんですけど、文化そのものっていうのは森のようなものですから、突然生まれたりはしない。人や環境、土壌みたいなものがないと文化が生まれることはないわけです。そういう土壌が、八ヶ岳ってすごく豊かなんです。

——ああ、確かにもともといろんな作家さんやアーティスト、アウトドアで活動する人とか、いろんな人がいますよね

そうそう。たとえば(FUJI ROCK FESTIVALが行われている)苗場なんかは、もともとは文化みたいなものが全然なかった。スキー場ができるまでは本当に自然そのままみたいな場所で、空の器みたいなところだったわけです。だからこそ、FUJI ROCK FESTIVALという巨大な文化そのものを持ち込んで育てることができたんだけど。

——なるほど。文化そのものを移植したみたいな形ですね。苗場は巨大な「野外の箱」だった。

そういう側面もあるわけです。もちろん苗場の自然っていう素晴らしい器があるから成立したわけだけど。一方、八ヶ岳って場所はもともとエネルギーやリソースがある。その土壌に音楽フェスっていう新しい苗を植えたらどういうふうに育つのか。今それは誰にもわかんない。だから面白いんです。

——八ヶ岳エリアの文化や人と関わることでいろんなことができそうですよね

フェスって何でもできるんですよ。音楽フェスだからもちろん音楽はあるけど、お笑いだってできるし、映画のフェスだってある。最近は各地でアートフェスが盛り上がってたりもするでしょ? そういうものを全部複合したっていいわけです。そんな「何でもやっていい器」なんてほかになかなかないですから。すごく贅沢な遊びですよ。

——実際、Hi ! LIFE 八ヶ岳は音楽だけでなくアウトドアのワークショップなんかも行いますよね

そうですね。幸い日本のアウトドアライターでは一番売れっ子で著名なシェルパ斉藤さんとか心強い仲間がいるので。ただ、フェスや文化って1回やそこらでいきなりできあがるものではない。経験的にいっても3年、5年、10年ってスパンでできあがっていくものなので。
ある意味では音楽フェスってもの自体がまだまだ文化を創ってる最中なんですよ。

——え、そうですか? 日本でもかなり根付いた、爛熟期に入ったものという印象でしたが……

日本で本格的にフェスが定着し始めたのってやっぱりFUJI ROCK FESTIVALくらいからですけど、それからせいぜい20年でしょ? たとえば今クールジャパンってことで改めて注目されてるアニメなんかは、国内初のテレビアニメである『鉄腕アトム』(1963年放送開始)が放送されてから50年ちょっと経つわけです。ガンダムなんかはそろそろ30年。文化として成長するのにはそれくらいの時間がかかるんです。そういう意味でいえば、フェスはまだ20年程度で、アニメでいえばようやくガンダムが登場したくらいの時期でしょ? 文化が育つ時間というものを考えると、実はまだまだこれからのものじゃないかと思うんです。

フェスを知らない人にこそ来てほしい

——なるほど。そういわれると、フェスもまだまだこれから成熟する余地がある気がします

そういうなかで、Hi ! LIFE 八ヶ岳なんかはこれから始まるものですから。今回はまず最大公約数的な器をつくるという感じで、少なくとも3年、5年と続けていくなかで育てていかないといけない。

——実際にやっていくなかで関わる人も増えていくでしょうしね

そうですね。だから、フェスが好きな人はもちろんだけど、今までフェスに行ったことがないっていう地元の人にもぜひ来て欲しいなと思ってます。見てもらうことで「こんなふうだったらこんなこともできるんじゃないか」とか、いろんな可能性が広がっていく。アーティストも、今回は加藤登紀子さんとか「ある程度誰がきいても親しみが持てるようなアーティストを並べる」というのが最初にこだわったことなんですね。フェスなんて全然知らないという人たちにも「楽しい!」っていうのが伝わるラインナップにしたつもりです。単純すぎてなかなか伝わらないかもしれないけど、自然のなかで音楽を聴くって、それだけで相当気持ちのいいことなんですよ。だから、まずそれをしっかり体感して欲しいんですよね。

——会場自体が気持ちいいですしね

今回フェスのお客さんは開催中リフト乗り放題なんですよ。で、セカンドステージはリフトの上の方に持っていこうと思っているので、お客さんはたぶん開催中2~3回はリフトに乗るはず。それだけでも楽しいと思うんですよね。

——夜は星の名所でもある

うん。20時くらいまでやる予定なので、最後はみんなで星を見てゆっくりできたりするといいよね。騙されたと思って来てほしい。騙す気はないから(笑)。

日時
2017年7月15日(土)~7月16日(日)
会場
サンメドウズ清里(山梨県北杜市大泉町西井出8240-1)
料金
入場券=6300円/日帰り駐車券=1000円/オートキャンプセット(入場券)=6300円/オートキャンプセット(オートキャンプ券)=6000円/手持ちキャンプセット(入場券)=6300円/手持ちキャンプセット(キャンプ券)=4000円
事務局
アースガーデン(http://www.earth-garden.jp03-5468-3288info@hi-life.jp

Hi ! LIFE 八ヶ岳についてはこちら…
Hi ! LIFE 八ヶ岳(ハイライフ 八ヶ岳)
http://www.hi-life.jp/

サンメドウズ清里

山梨県の高原に位置する、サンメドウズ清里。
都心からわずか二時間の好アクセスながら、とびきりの美味しい空気が待っています。
パノラマリフトで山頂までの空中散歩を楽しんだ後は、清里テラスの屋外ソファでくつろぎのひとときを。
目の前に広がる南アルプスや富士山の絶景をじっくりと堪能できます。
眺め抜群の清里カフェでは、フルーツをたっぷり添えたパンケーキを。
ふもとのレストラン「サンダンス」では、地元野菜を心ゆくまで味わえるナチュラルブッフェも魅力です。
とびきりのおいしさと開放感で、皆様をお迎えいたします。