「ひとりで来てもここに来れば友だちに出会えるよ」実行委員長・川嶋直に聞くHi ! LIFE

7月15日、16日にサンメドウズ清里で行われる「Hi ! LIFE 八ヶ岳」。今年八ヶ岳で始まる新しいフェスです。

音楽も、そしてキャンプやアウトドアも! 清里で新音楽フェス・Hi ! LIFE 八ヶ岳開催
音楽も、そしてキャンプやアウトドアも! 清里で新音楽フェス・Hi ! LIFE 八ヶ岳開催
さまざまなイベントで賑わう夏の八ヶ岳に、今年新たなチャレンジがスタートします。サンメドウズ清里を会場に開催される音楽フェス「Hi ! LIFE 八ヶ岳」です。 標高1600mのサンメドウ … 続きを読む

この新しいフェスは何をめざしたものなのか? フェスを主催するアースガーデンの代表・鈴木幸一さんに続き、今回は実行委員長を務める日本環境教育フォーラム理事長の川嶋直さんにお話を聞きました。

南兵衛とは価値観を共有できるかと

–川嶋さんは今回実行委員長を務めていますが、今回のフェスの仕掛け人ともいえるアースガーデンの鈴木幸一さんとはそもそもどういう経緯で知り合ったんでしょう?

実は最初の出会いはあまりハッキリ覚えていないんですよね。僕はずっと環境教育というフィールドで活動しているんですが、南兵衛(鈴木氏の通称)もアースデイ東京やアースガーデンという(環境系の)イベントをずっとやっていた。思いが近いから、活動フィールドも近かったわけで、以前から何かで面識はあったと思うんです。
ただ、フェスの大きなきっかけになったのは清里ミーティングというイベントです。清里のキープ協会清泉寮というところでやっている環境教育の交流会で、1987年からもう30年続いている。僕はもともとキープ協会にいて、このイベントの立ち上げに関わっていたんです。
2014年頃だったかな? そのイベントに南兵衛が参加者として来てくれた。
僕は清里ミーティングみたいに環境教育を広めるためのイベントを、東京でももっとできないかとその頃考えていて。同時に清里ミーティングは数百人規模のイベントなんですが、何千人、何万人という規模で何かできないかというのを考えていたんですね。そんなときにちょうど南兵衛と清里ミーティングで話ができた。

–南兵衛さんはまさにそういう規模のフェス、イベントをプロデュースしてきた

そうです。それで実際に東京でナチュフェスCaféという野外フェスと環境教育を組み合わせたイベントの開催を何度かチャレンジしました。

–南兵衛さんも活動できるフィールドを探していたわけですね

南兵衛はそもそも清里でフェスができないかってことで清里ミーティングに来てたんです。清泉寮の前には非常に気持ちいい牧草地があって、毎年秋には「八ヶ岳カンティフェア〜ポール・ラッシュ祭」という大きなお祭りをやったりもしてるんですね。ここなんかも、フェスをやる人間にしてみればあんないい場所はない。結局そこでフェスをやるという案は実現できなかったんだけど、いろいろ話をしているなかで去年「サンメドウズ清里で」という案が上がってきたんです。話をしたら、サンメドウズさんも乗り気になってくれて「さっそく来年やってくれても」といってくれた。

–一気にとんとん拍子に話が進んだわけですね

「やるとしてももう1年先かな」と思ってたんだけど、会場の方もやる気だったので「じゃあ、とにかくやろうか」と。

幸せを考える視野を広げる

–今回のフェスに対して持っている思いは関わる人によってもさまざまだと思いますが、川嶋さんはどういうところに可能性を感じていますか?

僕は、広い視野でものを考えていくきっかけになるといいと思っています。

–視野を広げるというと?

つまり、自分のこと、自分の幸せだけ考えて、半径2mの幸せだけ考えていちゃダメでしょってことなんだけど。僕は3つの軸で視点を広げていかないといけないと思っています。ひとつは時間の公正。今日明日の幸せだけじゃなくて、子どもたちの時代の幸せも考えなきゃいけないし、孫たち、さらには4代先、5代先という子孫のことも考えていかなければいけない。だから、今の地球の資源をみんな使い切ってしまって、「あとの世代はおれには関係ない!っていっていいの?」ってことですね。
2つめは空間の公正。南北問題のような地域格差の問題ですね。たとえば今すごく安くていい服が売っているけど、じゃあ「なぜ安いんだ? 誰がつくっているんだ?」と考えていくと、たいてい賃金が安い国の人だったりするわけです。場合によっては児童労働があったりなんかもする。服にはそのことが書いてないから見ただけじゃわからない。安い方がいいからっていうのは、みんな、僕にだってある。でも、そういう現実を知ってしまったら「買えないな」とも思う。
3つめは種間の公正。これは簡単な話で、この地球では人間だけで生きているわけではないという話です。僕らはほかの生き物を食べて生きているし、環境もいろんな生き物がいることでバランスが保たれている。人間だけ生き残ればそれでいいとはいかないわけです。これはもういいとか悪いとかいう話じゃなく、それじゃ成り立たないですよね。

–いろんな不平等やアンバランスがあるというのは、みんな何となく知ってはいても、日々の暮らしのなかではなかなか考える余裕がなかったりしますよね

みんな今日のこと、明日のことで精一杯だったりしますからね。生活に余裕がない、貧しいからだって。でも、貧しくてもそういうことを考えている人はいるし、豊かな人で考えられない人もいる。経済的な問題が一番の理由ではないと思うんです。

–なかなか身近に感じにくいというのが大きいんでしょうね

これが文字通り隣近所に見えている問題だったらもっとダイレクトに感じられるんでしょうけどね。隣近所の人がみんな飢えているなか、自分だけ満腹ならそれで幸せを感じられるかといったら、感じられないと思うんです。でも、その「隣」というのが「隣の国」だったりするから見えづらくなる。だから、若い子たちはどんどん世界に旅するべきだと思うし、日本のなかでもいろんなものを見るべきだと思うし、いろんな人に会うべきだと思うんです。そういうことが自分の幸せとみんなの幸せを考えるきっかけになればいいなと思いますね。

ひとりで来ても、誰かと一緒に帰れるフェスに

–Hi! Lifeもそういうきっかけになればいい、と

そうですね。ただ、今話したようなことはかなりストレートなメッセージで、それをストレートにフェスで伝えるべきかというのはわかりません。これはあくまで僕が考えていることであって、出演するアーティストの方も、関わっているいろんな人たちも、それぞれの思いやメッセージがあるだろうし、ガチガチにコンセプトを固めているわけでも、「こういうメッセージだ!」って踏み絵みたいな確認をするわけにもいかない。
ただ、南兵衛といっしょにやろうと思ったのは、南兵衛とは今話したような思いを(だいたい)共有できるからなんですよね。そういうつながりのなかで集まった人たちや、北杜市に移住してきた人たちっていうのも、大きな部分では価値観が重なる部分もあるんじゃないかなとは思っています。だから、「こういうメッセージでイベントをつくりました!」「思いをプログラムにしました!」っていうんじゃなく、フェス全体でそういうことを感じられる形になればいいなと思っています。特に今回は第1回目ですから、まずは楽しんでもらえるフェスをつくるというのが大事ですから。みんなが「よかった」と思ってもらえる状態をまずつくりたい。

–頭でっかちになっても面白くないですもんね

そう。口先だけのフェスみたいなのはいやなんですよね。フェスとしての土台がきちんとできあがる前に偉そうなことをいってもね(笑)。フェスって1回目が一番よくてその後だんだん廃れていくというタイプのものではない。むしろ最初はいろんな問題があって、徐々によくなっていくものだと思うんです。だから、2回目、3回目と続けるうちにメッセージ性みたいなものも自然と見えやすくなっていくんじゃないかなと思っています。

–お説教くさくなるのも違いますしね

僕が実行委員長って時点ですでにお説教臭は少ししてるかもしれないけどね(笑)。日本環境教育フォーラム理事長って肩書きが付いてきちゃうわけだから。やっぱりフジロックとかとはイメージが違うんじゃないかと思うんで。ただ、実行委員長ってだけで、当たり前ですけど僕のフェスではないし、僕が主役なわけでもない。むしろ、今清里や八ヶ岳周辺で活動してる若い人たちがすごく頑張ってくれてる。そういう若者たちが活躍できる場を用意するのが、僕らの世代の仕事だし、そこからどんなものができあがるかを楽しみに見ている感じです。

–アーティストはもちろんですが、八ヶ岳エリアの人たちが集まることでHi! Lifeというフェスになっていく感じですね

だから、ここに来ていろんな人に出会ってほしいですね。八ヶ岳という自然と、そこに集まった人たちに出会うチャンスだと思うので。ひとりで来ても帰りには10人くらいの友だちと一緒に帰れる場所になるといいなと思ってます。そういう工夫はしていこうと思っていますし。梅雨が明けるか開けないかという時期なんで、そこがちょっと心配ではあるんですけど、雨だったら雨でその方がそこでの出会いは熱いものになるかもしれない。それも八ヶ岳の自然ですし。大丈夫、絶対友だちができますから。

日時
2017年7月15日(土)~7月16日(日)
会場
サンメドウズ清里(山梨県北杜市大泉町西井出8240-1)
料金
入場券=6300円/日帰り駐車券=1000円/オートキャンプセット(入場券)=6300円/オートキャンプセット(オートキャンプ券)=6000円/手持ちキャンプセット(入場券)=6300円/手持ちキャンプセット(キャンプ券)=4000円
事務局
アースガーデン(http://www.earth-garden.jp03-5468-3288info@hi-life.jp

アースガーデンの代表・鈴木幸一さんのインタビューはこちら…
「Hi ! LIFE」はガンダムになれるか!? 音楽フェスの可能性を仕掛け人・鈴木幸一に聞く – 八ヶ岳天空博覧会
https://tenkuhaku.com/special/3461/

Hi ! LIFE 八ヶ岳についてはこちら…
Hi ! LIFE 八ヶ岳(ハイライフ 八ヶ岳)
http://www.hi-life.jp/

サンメドウズ清里

山梨県の高原に位置する、サンメドウズ清里。
都心からわずか二時間の好アクセスながら、とびきりの美味しい空気が待っています。
パノラマリフトで山頂までの空中散歩を楽しんだ後は、清里テラスの屋外ソファでくつろぎのひとときを。
目の前に広がる南アルプスや富士山の絶景をじっくりと堪能できます。
眺め抜群の清里カフェでは、フルーツをたっぷり添えたパンケーキを。
ふもとのレストラン「サンダンス」では、地元野菜を心ゆくまで味わえるナチュラルブッフェも魅力です。
とびきりのおいしさと開放感で、皆様をお迎えいたします。