
天女山と八ヶ岳横断歩道
八ヶ岳の南麓、山梨県北杜市大泉町にある天女山。神々に舞を披露する仕女が住んでいたという伝説が残る山です。山頂は1529mと標高が高く夏も涼しいスポットのひとつ。しかも、山頂まで徒歩1分ほどのところまで車で上ることができるので、気軽に足を運ぶことができます。天女山から歩いて500mほどのところには、天の河原という八ヶ岳南麓の絶景を見下ろせる展望スポットも。また、八ヶ岳横断歩道の一角、天女山から清里の美し森までをつなぐウォーキングコースは、眺望も素晴らしく夏の高原の涼しさ、爽やかさを満喫できるおすすめコースです。夏はさまざまな花の咲く季節。天女山付近を散策してから青い鳥工房でひと休みなんていうのも楽しいですよ。
ペザントアートというのをご存じでしょうか? ペザントというのは、農民や農夫を意味する言葉。ヨーロッパの農民が自分たちのために丹念に作った木製の家具や小物をこう呼んでいます。
自分たちのためにつくったものだから使い勝手がよく長く使え、デザインにも味がある……そんなペザントアート作品の創作や教室を行っているのが青い鳥工房です。
ペザントアートの第一人者に師事した職人の工房へ!
ヨーロッパで生まれたペザントアートですが、日本でもその美の精神を受け継ぐ作家さんがいます。草分け的な存在は、大正期から活躍した木工家・林二郎さん。日本のペザントアートの第一人者といわれ、首相官邸や志賀直哉邸の家具なども手がけた人物です。
そんな林さん弟子で椅子やカップボードなど、古典から現代までの平彫りの彫刻作品を世に送り出しているのが青い鳥工房の山本俊男さん。
山本さんは、林さんだけでなく彫刻家の澤田政廣さんにも師事し、仏像をはじめとする丸彫りの技も習得して作品に生かしているんですよ。
山本さんの作品は、ペザントアートを基本にしつつ、立体的な唐草やゴシックといった模様を加えてより装飾的に仕上げているのが特徴。また、艶を抑えた色のなかに彫刻が際立つ「泥んこ塗り」と呼ばれる独自の塗りもポイントで、できあがった作品にはアンティークのような落ち着きが生まれます。
バッハの生家にも置かれている8の字椅子
手のかかる作品をつくる人が少なくなるなか、山本さんは技術を受け継ぎ、作品制作を続けています。なかでも8の字椅子と呼ばれる作品は、山本さんが唯一の制作継承者なのです。
8の字椅子は、その名のとおり数字の「8」の字を組み合わせたようなフォルムが特徴で、ドイツの音楽家・バッハの生家にも置かれているんですよ。
作品に囲まれて一休みできる喫茶営業も
そんな山本さんが技術を継承し、残していくために行っているのが木彫り教室。青い鳥工房では、毎月第2・3金曜日と第4土曜日に教室を開催しています。10時から16時にかけて、1日かけて木彫りを体験できます。
また、工房は作品の展示スペースにもなっているので、山本さんの作品を見たいという人も気軽に立ち寄れます。また、土日は工房内で小さな喫茶店もオープン。コーヒー(300円)のほか、薬膳カレーセット(980円)といったランチメニューも食べられます。本場ヨーロッパでも評価の高いペザントアートの家具に囲まれながらひと休みできますよ。
ちなみに、展示作品は受注生産もオーケー。「一点ものの家具がほしい!」なんて思っている人は実際に作品を見ながら相談してみるのもいいですよ。